専門学校の学費はどのくらい?相場や大学との違いを徹底解説

専門学校

高校在学中に進路先の一つに専門学校を選択する人は多いはずです。

専門学校は名前の通り、各ジャンルを専門的に学ぶための学校です。しかし、学費を含めた経済面は大学などと比べると高いのかなど詳しい方は少ないです。

今回は専門学校へ進学する場合は学費がどの程度かかるのかや大学との違いをご紹介します。

専門学校とは

様々な職業に対して必要となる能力を育成する学校を専修学校と言いますが、その中でも高等教育機関として専門課程がある学校を専門学校と言います。

専門学校と大学の違い

大学は、学術的や理論的な学問を学ぶとともに、幅広い教育を身に付けるための教育を行う教育機関です。

専門学校は、特定職種の実務に必要な知識や技術を身に付けられる実践的な教育機関です。

大学の場合

  • 教育内容:一般教養から専門領域まで幅広く学べる
  • 卒業すると得られるもの:学士(学位)
  • 修業年限:4年または6年(医学部薬学部など)

専門学校の場合

  • 教育内容:職業に直結する専門領域・技術を学べる
  • 卒業すると得られるもの:専門士(称号)
  • 修業年限:1~4年

専門学校の学費は大学よりも安い

大学と専門学校の学費の差は、平均的な私立大学の学費は4年間で約460万、専門学校の平均的な学費は2年間で230万と約2倍の差があるため、専門学校の方が学費としては安くなります。

この差が生まれる理由は大学は原則4年間通学するのに比べ、専門学校は2年間通うことが多いためです。

初年度は大学約134万、専門学校は約125万と多少開きがあるものの、2年目以降はそれほど大きな差はありません。

しかし、美術系やCG制作系、医療系の専門学校の中には、3年間もしくは4年間通う学校もあるため、それらの専門学校を学ぶ場合は専門学校でも大学と変わらない学費が必要になります。

業界別専門学校の学費相場

専門学校の学費は学ぶ分野や、授業内容など様々な要素によって決められることが多いです。

各ジャンルの専門学校の学費相場とその理由を見ていきましょう。

工業・建築系専門学校

工業系の専門学校の場合は2年間の在学期間で入学金が平均で約20万、授業料で約65万円かかります。

工業系の専門学校では入学金や授業料は他のジャンルの専門学校と変わりません。しかし、授業内容が実習などの内容が多く材料費の購入なども行う必要があるため、入学金や授業料以外にも設備費などで平均30万円程必要になります。

ビジネス系専門学校

ビジネス系の場合は検定試験が多くなるので検定費がプラスで必要になることが多いです。

2年間の在学期間で入学金が約15万円、授業料が約60万円必要になり、検定費などその他費用を含めて20万程プラスで必要となります。

結果的に合計で約100万円必要になります。

語学系専門学校

語学系の場合入学金が平均で15万円程かかり、授業料は85万円程必要になります。

語学系の専門学校ではプラスで留学費や海外研修、英検など各言語の検定費などが必要になりプラスで15万程が必要になります。留学を考える場合は国や時期にもよりますが平均40万〜100万が必要になります。

語学系の専門学校の場合は合計で約120万円必要になります。

医療系専門学校

理学療法や作業療法、鍼灸といった医療系の分野は実習がたくさん行われるだけでなく設備も高額な物が多いため学費が高くなります。

平均的な理学療法や作業療法学科の入学金は約35万円必要になり、授業料も約95万円と高額になるケースが多いです。

医療系の分野は、卒業後に国家資格を取得した上で就職を目指す人がほとんどのため、国家試験対策のために必要な問題集・参考書や国家試験の受験料などが別途必要になりその他費用で30万円程かかるため、合計で約170万円必要になります。

介護福祉系専門学校

介護福祉系専門学校の場合は入学金の平均が約15万円になり、授業料は65万円程必要になります。

福祉系の専門学校には2年生、3年生により学費総額の差はありますが1年当たりの授業料には大きな差はありません。

飲食系専門学校

飲食系の専門学校には栄養や調理、製菓などの種類があります。

調理や製菓は実習で材料が必要になるため、他の分野と比べて学費が高くなりやすい傾向があります。

入学金約20万円と、授業料が約70万円かかり、調理実習の費用など合計で80万円程プラスで必要になります。

製菓の場合学校により最高額と最低額で約3倍近くの開きがあることから、入学する学校によって学費が大きく異なります。

特に著名なパティシエが実習の講師を務める学校などでは、授業料や実習費が高くなる場合があります。

美容系専門学校

美容系の専門学校の場合は学校によりますが2年間で入学金が15万円、授業料が55万円程必要になります。

美容専門学校の場合、カットする道具の購入や実習費として必要な消耗品が多いため追加で60万円程金額が高くなります。

ファッション系専門学校

ファッション系専門学校の場合は平均的に入学金が20万円、授業料は65万円台の学校が多いです。また、学校によっては教科書代や素材費が必要な場合がありますのでその他費用で30万円が必要になります。

エンタメ系専門学校

エンタメ系の専門学校は平均的に入学金が20万円、授業料が70万円程かかります。

エンタメ系の場合卒業生の特別授業など有名人が多く来る学校であれば金額も高くなりますのでだいたい2年間で125万円程用意が必要になります。

専門学校の学費に含まれる3つのもの

学費に含まれる代表的なものには、入学金や授業料、設備費や実習費用などが挙げられます。

通常授業の費用のほか、実験や実習にかかる費用や学校の施設や設備の維持管理費など、様々な内容が含まれています。

ここでは学費に含まれる項目の説明を行います。理解した上で、学費の金額を把握しましょう。

1.入学金

専門学校の入学金は、10,000円から30,000円が一般的であり一校につき20,000円が目安です。

入学金の納付期間は、合格通知が到着してから1週間以内が一般的です。

2.授業料、設備費

授業料は座学の通常授業の費用になります。

専門学校の授業料は一般的に10,000〜30,000円が一般的です。複数の学校を併願する場合、ある程度多額の出費になることも考えられます。

設備費は主に校舎の維持・運用に関わる費用であり、冷暖房費や光熱費が主になります。

設備費が高いと言われるのが農業系、バイオテクノロジー関係です。農業系、バイオテクノロジー関係は設備費が約35万となります。一定の温室などが求められる実験室など設備の維持・管理管理が必要になるためです。

3.実習費

実習費は調理実習や保育実習など座学以外に関わる授業料です。

例えば医療系(理学療法、作業療法)の場合授業料が約87万円、実習費が約23万円かかります。理学療法士、作業療法士とも国家資格のため授業料も実習費も高めになっています。

実習費が最も高額なのが、衛星系の製菓で約47万になります。実習で使用する材料費が高額なため、初年度納付金も約170万円となります。

専門学校の学費の支払いタイミング

専門学校の場合は合格発表後、入学準備の際に初年度納付金の手続きを行う必要があります。

初年度納付金は入学金+初年度授業料+その他(実験・実習費、施設・設備費)の合計額になり、合格発表から1週間以内に払うのが一般的です。

学校によっては、入学手続きの時点では入学金のみ、もしくは入学金+半年分(前期分)の学費のみのケースもあります。

専門学校の入学時期は学校によって異なる上、選抜方法によっては合格発表時期もかなり早いため、3月が納期ではないこともあります。

必要な時期に必要な額を払い込まなければ入学辞退という扱いになる可能性が高いので、事前に十分確認しましょう。

学費以外に必要な費用

専門学校では、学費以外にも教科書や参考書、試験などの費用がかかります。

同じ専攻でも学習の到達度により金額差があるものの、年間で一定の金額は必要になります。

では学費以外で必要になる費用は何でしょうか。詳しく見ていきましょう。

受験検定料

専門学校の場合、入試にあたり受験料(選考料)がかかります。

専門学校の受験料は国立は16,500円、公立は5,000円〜10,000円、私立は20,000円〜30,000円が多いようです。

受験料は学校や学ぶ分野によって違いがあり、複数校を受験する場合はある程度まとまった金額が必要になります。

教科書・参考書

教科書、参考書は学ぶ分野により値段は異なりますが、どのジャンルの専門学校でも必要になるものです。

専門学校の年間費には含まれていないため、入学するまで明確な金額は分かりませんが、年間でかかる学費の10%程度の学校が多いです。初年度納付金が100万であれば約10万が教材費等になります。

交通費

交通費は専門学生に関わらず学生にとって必要な費用になります。学校選びの際にどのくらいかかるかなども参考にしながら学校選びをするのが良いでしょう。

就職活動費

就職活動費は受ける会社数により異なります。当然1社で受かる人もいれば、10社、20社受けて受かる人もいます。

その為、交通費もその分必要になります。就職活動は人生で何回もあるわけではないので自分の行きたい所などしっかり考えて計画的にお金を貯めておきましょう。

専門学校の学費を免除する3つの方法

学生生活を送る上で金銭的に不安を感じる場合は、学費サポート制度の利用を考えましょう。奨学金や特待生などの免除があるだけで心強いサポートになります。

今回は学費を免除できる主な3つの方法を紹介します。

1.奨学金制度の利用

奨学金を受けるには、自分の条件と合う奨学金制度を見つけましょう。

学校単位で受け付けている奨学金はもちろん、様々な奨学金の情報を集めることも大切です。特に貸与型の奨学金であれば契約も返済も自分自身です。

また、学校進学が決まってから奨学金を考えてしまうと、いざ進学が決まっても奨学金の審査に落ちてしまい、経済的理由で進学を諦めなければならない可能性があるため事前に確認しておきましょう。

高校3年生の段階で進学が決まっていない場合でも、申し込みが可能な予約型奨学金も調べておくことがおすすめです。

日本学生支援機構の予約採用が有名ですが、専門学校などが独自に用意している場合もあります。進学したいと考えている学校に奨学金制度がないかの確認も行いましょう。

2.特待生制度の利用

特待生制度とは、人物や学力共に優れ、さらに将来の目標を明確にもって入学する学生に対して奨学金として授業料を免除し学業を奨励する制度です。

出身校の学業成績・クラブ活動・資格取得実績などを考慮して特待生として奨学金を支援(1年次の授業料段階により免除)します。

学校により免除額や対象人数は様々なので進学予定の学校を一度調べてみましょう。

3.高等教育の無償化の活用

2020年4月から高等教育の修学支援制度として、大学や専門学校の無償化もスタートしました。

経済的な理由で進学が難しい人を応援するために生まれた支援制度で、授業料や入学金の免除または減額、あるいは給付型の奨学金が利用できます。

世帯の収入状況や学ぶ意欲の厳しい審査は必要ですが、もし金額面で専門学校への進学を諦める場合はその前に一度調べてみましょう。

専門学校の学費相場まとめ

専門学校は分野ごとに大きく学費が違ってくるので、どの分野に進もうか迷っている場合は入学から卒業までにかかる費用を比較するのがおすすめです。

学費が高くても校内の実習施設や設備の充実などお金を支払うだけのメリットが得られる学校も多いのです。

専門学校を選ぶ際は学費の費用額で判断するのではなく、学べる内容や環境面も含め本当に自分が行きたい学校を選ぶことが大切です。

 

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