専門学校とは?大学との違いやメリットを解説

進学のススメ

進路を決める際に自分にとってベストな進学先を選びたいという思いから、専門学校へ進むか大学へ進むか迷う人は多いのではないでしょうか。

専門学校とはどのような学校なのか、大学との違いやメリットを知ることによって自分にはどちらが向いているのか判断する材料になります。

専門学校へ進学するか迷っている方は是非参考にしてみてください。

専門学校とは

様々な職業に対して必要となる能力を育成する学校を専修学校と言いますが、その中でも高等教育機関として専門課程がある学校を専門学校と言います。

専門学校は、特定の専門分野が主体で知識と技術を身につけることができます。

専門学校にはどのような特徴があり、どのような人が向いているのか紹介していきます。

専門学校の特徴

専門学校の特徴としては授業内容が実務的な内容であり、社会に出た際に即戦力として活躍できるように育成します。そのため目標とする職業がある場合は、専門学校へ進学することが一番の近道になります。

専門学校の修業年数は1〜4年と学校により異なりますが、多くの学校は2年制となっています。

2年以上の課程修了者には専門士、4年以上の課程修了者には高度専門士という称号が付与されます。専門士には大学の途中年次への編入資格が与えられ、高度専門士には大学院への入学資格が与えられます。

専門学校に向いている人

専門学校に向いている人は以下のような人が挙げられます。

  • やりたい仕事が明確な人
  • 専門的スキルが必要な人
  • 大学入試に自信がない人
  • なるべく早く知識や技術を身につけて社会に出たい人

専門学校への進学率

令和元年度の専門学校への進学率は高校卒業者全体の約16.3%です。大学進学は54.8%なので半数以上が大学へ進学していますが、高校から進学した後も「専門学校から大学へ」「大学から専門学校へ」という教育機関の連携で進路の選択肢が広がっています。

出典:https://www.senmon-navi.com/outline-rate.html

専門学校へ入学する3つのメリット

専門学校へ入学するメリットは以下の三点が挙げられます。

メリット1-専門的なスキルが身につく

専門学校は実践的な授業が多いため就職後にすぐに生かせるスキルが身に付き、仕事の即戦力として活躍することができます。

専門学校は美容系、調理系、医療系、音楽系、機械系など大学よりも幅広い分野があり、実技の設備や講師も本格的であるので専門的なスキルを身につけることができます。

また、国家資格を目指すカリキュラムもあるため、必要な能力が明確化している人は専門学校へ進学することが近道になります。

メリット2-大学より先に社会に出れる

専門学校はほとんどが2年制で、大学は4年制のため大学を卒業するよりも先に社会に出ることができ、大学卒業者よりも2年早いキャリアを持つことができます。

社会人としての現場経験が早く身に付き、スキル上達にも繋がります。早く社会に出ている分、将来的なキャリア形成について早いうちから具体的に考えることができ、将来設計を立てやすいです。

メリット3-志望学校に入学しやすい

専門学校は大学よりも入試のハードルが低く、志望の学校に入学しやすいです。専門学校の入試方法はAO入試が多く、面接などで失礼な態度を表さない限り合格することが多いです。

但し、公立の看護専門学校など入学の難易度が高い学校もあるので、一概に全ての専門学校が入学しやすいとは言えません。

 

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専門学校へ入学する3つデメリット

専門学校は専門的なスキルが身に付くなどのメリットが多い反面デメリットもあります。

大学と比べてどのようなデメリットがあるのでしょうか。

デメリット1-専門分野しか学べない

専門学校は就きたい職業や進路によって特定の分野に特化しているため、その他の分野を学ぶ機会がありません。そのため幅広い知識を得たい人にとってはデメリットになります。

他の分野を学びたくなった場合は、本を読んだり、自分で調べるなど一般教養を自分自身でカバーしましょう。

デメリット2-進路変更が難しい

途中で目標が変わったり何らかの理由で選考分野に興味がなくなってしまった場合、進路変更や学ぶ内容を変更することができないため、毎日授業や実習を受けながら新たな進路について考えなければなりません。

進路変更を避けるためにも高校卒業後の進路は何となくで決めず、自分が何をやりたいか、どのような職に就きたいかしっかりと考えて決断しましょう。

デメリット3-最終学歴で不利になる事がある

就職活動時において、最終学歴が専門学校卒業では受けられない企業も数多くあります。

将来に就職したい会社が決まっている場合は、募集要項を予め確認しておきましょう。

例えば学校教員になりたい場合は教育課程のある大学に編入しなければならないなどの制約もあります。

専門学校と大学の違い12選

専門学校と大学は学ぶ内容だけでなく、学費や時間割など大きく異なる部分が多くあります。

大学と専門学校の大きな違いはどこにあるのでしょうか。12個の項目を指標にして詳しく見ていきましょう。

1.教育内容

専門学校では実践的・実務的な教育内容で、専門教育が授業の八割を占めています。分野に応じた教育内容で資格取得にも力を入れています。

大学では実践よりも理論重視の傾向で、教養教育などにより幅広い知識と視野を養成します。

ゼミと呼ばれる少人数での研究授業もあり、多くの場合は4年次に卒業論文を書きます。

2.学費

専門学校は分野にもよりますが2年制の場合の学費は約230〜250万円です。

大学は国立であれば約250万円、私立であれば約400万円ほどになります。

また専門学校では実技に使う道具を揃えたり、専門分野ごとにも学費が変わってくるので学校を選ぶ際には確認するようにしましょう。

3.時間割

専門学校は初めから時間割が決められています。

一方大学では、必修科目以外は自分で好きな曜日や時間に組むことができるので自由な時間を作りやすいです。

但し、人気のある授業は人数制限などで抽選になるため、全ての授業が思い通りに組めるとは限りません。第二候補なども考慮しながら組みましょう。

4.授業時間

専門学校の一コマあたりの時間は45分や90分など学校によって異なります。年間授業時間数は800時間以上と定められています。

大学の一コマあたりの時間も90分、100分など学校によって異なります。大学は単位制であり、卒業するには最低124単位が必要です。

5.在学年数

専門学校は1〜4年制があり、学校や専門の分野によって異なります。一般的には2年制の学校が多いです。また、医療系の専門学校はほとんどが3年制です。

大学は4年制ですが、医学部や薬学部などの一部の学部には6年制もあります。

6.入試方法

どちらも入学試験によって合否が決まりますが、専門学校には書類選考のみの学校もあります。

専門学校は筆記試験がない場合もあり、入試の難易度は大学と比べると低い傾向にあります。

7.入試難易度

専門学校は多くの場合は学校が定める一定の水準を満たせば合格になります。但し、定員に達した場合は募集が締め切られることもあるので、早めに受験することをお勧めします。

大学は学部・学科ごとに入学定員が定められており、基本的に入学成績順に合否が決められます。いくら成績が良かったとしても他の受験者より成績が低ければ不合格です。

そのため大学入試は「落とすための試験」と言われています。大学の入試は専門学校よりも難易度は高いです。

8.卒業後の進路

専門学校の卒業後の進路は就職、大学への編入学、大学進学(1年生から)が選択肢として挙げられます。

大学はほとんどが就職、わずか10%程が大学院などへ進学する傾向があります。

9.初任給

初任給は大学卒業者の方が高く設定されている場合がほとんどです。

例えば、ある企業の大学卒業者の初任給は205,000円で専門学校卒業者の初任給は190,000円とされており、15,000円の差が生まれています。

初任給の差は就学期間の差が大きく影響していると言われていますが、今は少しずつ差が縮まってきています。

10.高卒者の進学率

進学率は2020年3月高校卒業者のうち54.4%が大学へ、24.0%が専門学校へ進学しています。毎年大学へ進学する割合の方が高いです。

出典:https://www.mext.go.jp/content/20200825-mxt_chousa01-1419591_8.pdf

11.入試時期

専門学校の入試は秋から3月頃にかけて何回か行われます。筆記試験以外に分野に応じた実技試験がある学校もあります。

国公立大学の場合は1月に実施される大学入学共通テスト(旧センター試験利用入試)と2月または3月に行われる大学ごとの二次試験を受けます。

私立大学の入学試験は1月から3月頃に実施されます。共通テスト利用入試や推薦入試などを含めて複数回実施する大学が多いです。

12.休み

専門学校にも夏休み、冬休み、春休みがありますが、全体の日数は60〜70日程度で大学の半分程になります。

夏休みは8月に1ヶ月程、冬休みは年末年始、春休みは3月上旬頃から4月上旬頃です。

大学の長期休暇の合計は120日前後あります。

夏休みは8月から9月下旬、冬休みは12月末から1月1週目頃、春休みは1月下旬頃から4月1週目頃です。

2ヶ月弱もある夏休みや春休みは、インターンシップや短期留学に行く学生が多いです。

専門学校へ入学する3つの入試方法

専門学校の入試は一般的に三種類あり、専願(1校のみに絞って受験する)か併願(複数の学校を受験する)かなどによってどの方式で受験するか選びます。

学校によっては、実施時期の早いAO入試や推薦入試で定員に達すると募集を止めることもあるので注意が必要です。

1.一般選抜

一般選抜は最も出願時期が遅い入試です。

一般入試では書類選考、学科試験、面接を組み合わせて行なっている学校が多く、学科によっては適正試験や実技試験がある学校もあります。

学ぶ分野が同じでも、専門学校によって入試内容には差があります。そのため志望する専門学校の入試内容を確認し、早くから対策を行う必要があります。

また、一般入試は併願が認められているため志望校が複数ある場合に適しています。専門学校ごとに出願期間の締め切りが異なるので、出願期間や試験日程を予め確認しておきましょう。

2.学校推薦型選抜

学校推薦型選抜は、高校の校長や担任の推薦状が必要となる入試方式です。

推薦状をもらうには高校の成績が重要視される他、出席日数も一定以上でなければなりません。

10月頃から出願や選考が始まる学校が多く、公募推薦と指定校推薦があり、多くの場合は専願のみの受付となります。

推薦入試は書類選考で合否が決定することが多いですが、学校によっては面接、小論文、実技試験を実施する場合もあるため事前に確認し対策をしておきましょう。

3.AO入試

AO入試は学力だけでは判断できない適性や人間性、学ぶ意欲などを評価するため、学力や成績は問われず、高校からの推薦も不要です。

選考はエントリーシートと呼ばれる志望理由書を元に書類審査や小論文、複数回にわたる面接などにより行われます。

出願条件としては、オープンキャンパスの参加や事前面談が設けられていることがあります。オープンキャンパスの場でAO入試にエントリーできるケースもありますが、AO入試も専願制の場合が多いため、焦らず志望校を明確に決めてから出願しましょう。

専門学校とは?まとめ

本記事では専門学校と大学の違いや専門学校のメリット・デメリットについて紹介しました。

専門学校へ行くべきか迷っている人は、専門学校の特徴やメリット・デメリットをよく理解した上で何を学びたいのか、将来どのような職業に就きたいのかを明確にして進路を決断しましょう。

また、専門学校の中でも学校によって入試方法や在学年数が異なるため出願する前に志望する学校についてよく調べ、確認するようにしましょう。

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