専門学校は大学と比べて学費が安いと思う方もいるかも知れませんがそんなことはありません。専門学校は実験や実習、設備が充実しており年間の学費は私立大学とそれほど変わりません。同じ分野でも学校によっては学費が様々です。
学費や生活費を考えるのかと不安になる方も多いと思います。専門学校では大学とは違い、専門学校それぞれに奨学金制度が違います。
本記事では専門学校でも使える奨学金の種類や制度についてご紹介します。
奨学金は誰でも借りれるの?
専門学校と大学で制度が変わるの?
専門学校の奨学金
専門学校は大学と同様に奨学金の利用が可能な学校が多くあります。
公的な奨学金の利用で学費を抑えたり、専門学校独自の奨学金制度により学費が免除されたり、条件をクリアしていれば大学と同じ奨学金を受ける事も可能になります。
そもそも奨学金とは
奨学金とは家庭の事情などにより経済的に余裕がなく、進学にお金が必要な学生に向けて学費の付与や貸与を行う事です。
国や地方自治体、民間団体などが設ける進学に必要な金銭的サポートです。学校によっても独自の奨学金制度を設けている学校もあります。
奨学金の仕組みについて
奨学金の仕組みには様々なものがあります。奨学金は種類によって在学中には返済する必要がなく、その間は利子も発生しません。貸与されるのは入学後4月以降になるため入学金の支払いには間に合わないので入学金の準備はしておくことが必要です。
奨学金を借りると原則卒業まで続きますが、毎年奨学金継続届の提出が必要になります。
継続届の内容をもとに学校は、学業はもちろん、人物、健康、経済状況の審査を行い奨学金の継続を決めます。
奨学金の審査は借りる種類によりますが、長期間の欠席や成績が著しく低下しているなどの問題がある場合は奨学金が停止される事もあります。
専門学校奨学金の種類と条件
奨学金は国や地方公共団体の他にも学校独自で行っている奨学金制度もあり種類は様々です。
しかし、民間育英団体の奨学金はまだ専門学校向けのものは少ないです。
実際に多くの専門学生が利用しているのが、独立行政法人日本学生機構(JASSO)の奨学金です。
独立行政法人日本学生機構(JASSO)の奨学金には大きく分けて、返済が必要ない給付型と卒業後に返済が必要な貸与型があります。
さらに、貸与型には無利子の貸与型第一種、利子がつく貸与型第二種があります。
https://www.jasso.go.jp/shogakukin/about/index.html
返済が必要な奨学金
貸与奨学金は、大学院、大学、短期大学、高等専門学校、専修学校などの高等教育機関で勉学に励む学生を学生を対象として貸し出される返還義務のある奨学金です。
貸与奨学金でも無利子の貸与型第一種奨学金と有利子の貸与型第二種奨学金に分けられます。どちらも、選考において優れた学生で修学困難である学生と判断された場合貸与されます。
日本学生支援機構(JASSO)
・貸与型第一種
貸与型第一種奨学金は、特に優秀な学生で修学が極めて困難であると判断された場合に貸与されます。
貸与型第二種奨学金に比べて選考は厳しくなっていますが、貸与型第二種奨学金の貸与を人数を減らして貸与型第一種奨学金の人数を拡張するという傾向にあるため経済的な悩みを持っている学生は利用を検討してみるのが良いでしょう。
貸与型第一種奨学金の中には返還免除制度というものもあります。在学中に特に優れた成績をあげた場合に、奨学金の一部または全額免除する制度です。
また、貸与型第一種奨学金は修学の維持が困難な場合には、貸与型第二種奨学金も貸与と併用して受けることが可能になっています。
貸与の金額は給付型と同様に進学先が国立か私立かと自宅通学か自宅外通学なのかにより変わり、それぞれの枠の中で自分で選択が可能になります。
・貸与型第二種
貸与型第二種奨学金は多くの人が利用しており、給付型奨学金や貸与型第一種奨学金と同じく学生本人の成績や経済状況によって選考されますが、その選考基準はより緩やかなものとなっています。
大学等の通信教育課程に在籍する学生でも、スクーリングに出席するなどの用件を満たせば対象となります。
利子については上限は年に3%で、在学している間は無利息です。利率固定方式(市場金利の上下にかかわらず一定)と利率見直し方式(返還期間中、概ね5年以内に利率見直しがされる)を貸与者が自由に選択可能となっています。
貸与額に関しては月額最低で2万、最高で12万を借りることが可能です。貸与額は1万円単位で自分で選択をすることが可能です。
地方公共団体
地方自治体の奨学金は都道府県、市区町村などの地方自治体による奨学金制度です。
経済的な理由で学費を用意することが難しい方への支援です。本人または保護者がその市区町村に在住、または出身であることを条件に受けられます。
しかし地方自治体の全てが奨学金制度を実施しているわけではありません。また、他の奨学金制度を併用できない可能性もあります。
学校独自制度
学校独自制度の奨学金は貸与型や給付型などがあり、金額も数万円のものから在学中の学費免除まで学校によって様々です。
しかし、ほとんどの場合、成績や経済状況が条件となります。
他にも学校独自でのサポートなど学校により金額や条件は様々ですが、入試や高校在学中の成績で特典が受けられる特待生制度もあります。
教育ローン
教育ローンは成績にほとんど左右されず借りることができ、一度に最大数百万円借りられる点がメリットです。
しかし、奨学金に比べ利子が高いのがデメリットです。大抵の奨学金の場合、お金の支給は入学後になるので入学前に納入金が必要な場合は有効な手段です。
教育ローンには日本政策金融公庫が提供する国の教育ローンと銀行の教育ローンがあります。
- 国の教育ローン
最高350万まで利用が可能です。受験前でも申し込みが可能で早ければ20日前後で融資を受けることができます。
入学金を支払う前に振り込みが完了するため、入学金はもちろん、一人暮らしの住居費やパソコン購入費などに充てられます。
国の教育ローンは日本学生支援機構の奨学金との併用が可能です。
- 銀行の教育ローン
入学金のほかに、予備校や塾などの教育に関わる資金に利用できます。
しかし、金利は国の教育ローンよりも高めに設定されていることがほとんどです。同じ銀行の教育ローンでも地域によって金利や借入可能額、返済方法は異なるため銀行へ確認が必要です。
民間奨学金制度
奨学金全容を記載した記事の内部リンクを貼りたい
民間奨学金制度とは民間企業や個人などが設けている奨学金制度です。団体により応募基準が異なります。学校を通じて応募することが多く、各学校から推薦学生を審査し決定します。
給付型の場合、成績優秀者や特待生、経済的理由で修学が難しい学生が対象となります。
返済が不要な奨学金
奨学金は基本的に返還義務がある制度ですが、近年家庭環境を考慮した上で返済が不必要な奨学金制度が導入されました。
返済不可の奨学金には厳しい審査がありますが、優秀な学生の将来を守るために繋がるため今後も増えてくる可能性もあります。
日本学生支援機構(JASSO)
返済不要の奨学金を給付奨学金といいます。給付奨学金は経済面において極めて困難な環境にあると認められた特に優秀な学生に対してのみ支給される返還義務のない奨学金です。
給付に際しては、学力、将来性、資質、健康面、家計事情等を基準にして、給付するのに相応しい学生かどうか判断を行います。
給付される金額は世帯年収と進学先が国立か私立か、自宅通学か自宅外通学によって決まります。
専門学校奨学金のメリット
奨学金制度が専門学校にもたらすメリットについて2つご紹介します。
1つ目が学生が進学を断念するのを妨げます。
学校にとって奨学金のメリットとして、学費支払いのハードルによって学生が進学を諦めるのを未然に防ぐ効果があります。奨学金によって学費面のハードルを低くできれば志願者・入学者の増加や経済的理由による中退の減少が期待できます。
2つ目が成績優秀者を確保できることです。
日本学生支援機構や地方自治体の奨学金の中には、一定以上の学力を申込基準として設定しているものもあり、奨学金によって成績優秀者を確保できます。
学生の成績が優秀だと学校全体の就職率の向上に加え、国家試験・各種資格試験の合格率向上も期待でき、学校の魅力向上に繋がります。
専門学校奨学金のデメリット
日本学生支援機構や貸与型奨学金は卒業後長期間の返済があるため経済的に不安になります。
学費の高い学校では大きな借金を背負って卒業後働くことになります。
また、無利息型や給付型は申請する学生が多いため、希望する奨学金が利用できない可能性もあります。特に、募集枠の少ない奨学金制度は審査の難易度も高くなります。
奨学金の返済しなかった場合
奨学金を返済しなければ支払い期限が過ぎた段階から延滞金が発生します。
基本的には無利子の貸与型第一種奨学金であっても、支払い期限から6ヶ月過ぎれば年間2.5%の延滞金が加算されます。貸与型第二種奨学金の場合、支払い期限が過ぎた段階で年間5%の延滞金が加算されます。
さらに、奨学金の貸し出し元や委託を受けた債権回収会社から電話で連絡がきます。本人にかかってくる場合もあれば職場や連帯保証人、身内にかかる場合もあります。
銀行やクレジットカード会社が情報元としている個人信用情報機関に奨学金返済延着者として登録されてしまいます。これはブラックリストに載るということです。
今後融資を受けたりクレジットカードを作ったりすることが困難になります。
専門学校奨学金まとめ
今回は奨学金について、種類や返済期間などについてご紹介してきました。
専門学校でも学費が高く、進学を諦める方が多いですが母子家庭の方でも高等教育の修学支援新制度を利用し、授業料等の減免や給付型奨学金の支給を受けることによって十分専門学校に進学することを目指せる場合もあります。
奨学金を借りる場合は学校のパンフレットを請求したり、学校説明会に参加して奨学金について詳しく説明を聞くことがおすすめです。
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