高校卒業後の進路のひとつに専門学校への進学が挙げられます。
専門的な分野を集中して学べるので、最短コースで目指す仕事に就くことができます。
では、専門学校を卒業するのに何年かかるのでしょうか。
また、専門学校を選ぶメリットはなにがあるのでしょうか。
この記事では、以下について詳しく紹介します。
- 専門学校を卒業するまでに必要な年数
- 専門学校の強み
- 専門学校の選び方
専門学校は何年で卒業できる?
効率的にスキルを身に付けることができる専門学校ですが、卒業するまでに何年かかるのでしょうか。一言でいってしまえば、「分野によって様々」です。また、同じ分野であっても、学校によってカリキュラムが異なるため、必要年数が異なる場合があります。
そのため、志望校のホームページなどで確認するのが確実です。
ですが、基本的には1~4年。多いのが2年制です。大学を卒業してから就職するよりも、数年早く働き始めることができます。
どうして2年制の専門学校が多いのか
半分近くの専門学校は2年制です。なぜなら、2年制以上の専門学校を卒業することで、「専門士」という称号を得ることができるからです。
専門士を取得することで、大学への3年次編入が可能になります。
専門学校で2年学んで、その後大学に進学するという事例も多くあります。
【分野別】専門学校を卒業するまでの年数
ここからは分野別に、専門学校を卒業するまでにかかる年数をまとめました。
専門学校は大きく8分野に分けられます。
①医療分野(看護師、歯科衛生士など)
②衛生分野(調理師、栄養士など)
③工業分野(情報工学、電気、土木など)
④農業分野(農業、畜産など)
⑤教育分野(保育士、社会福祉、介護士など)
⑥商業分野(簿記、観光、会計など)
⑦服飾分野(ファッションデザイナー、スタイリストなど)
⑧文化分野(デザイン、芸術など)
様々な職種の専門学校があることがわかりますね。
それでは、特に多いものを見ていきましょう。
医療系専門学校の卒業までの年数
医療系専門学校で多いのが3年制です。
看護師になるためには、専門学校などで3年以上の教育が必要と定められています。
看護師として働くには、国家試験に合格することが必須条件なので、合格率の高い専門学校を選ぶのも良いでしょう。
歯科衛生士も同様に3年生以上が多く、国家試験に合格することが必要です。
調理系専門学校の卒業までの年数
調理系は1年制もしくは2年制が多いようです。1年制の調理系専門学校を卒業すると、試験などは受けなくても調理師免許を取得することができます。パティシエになるために必要な資格である製菓衛生師も同様です。
ちなみに、専門学校に通わずに調理師免許を取得しようと思うと、2年以上の勤務経験と試験合格が必要です。
美容系専門学校の卒業までの年数
美容系の専門学校は2年制がほとんどです。
美容師になるには美容専門学校を修了後、国家試験に合格することが必要です。
また、美容系の専門学校は昼間課程だけでなく、夜間課程も多いようです。1日の授業数が昼間課程よりも少ないため、卒業に2年半ほどかかる場合も。ですが、学費も安いので選択肢として考える方も少なくありません。
IT系専門学校の卒業までの年数
最近増加しているのがIT系の専門学校です。エンジニアとして即戦力になれるようなスキルと知識を身に付けることができます。
就業年数は学校やコースによって様々で2~3年制が多いようです。
IT系専門学校に通いながら取得できる資格も多くあります。
保育・教育系専門学校の卒業までの年数
保育士の専門学校はほとんどが2年制です。専門学校を卒業すると保育士資格を得ることができるような学校が多いようです。また、幼稚園で働くために必要な資格である「幼稚園教諭2種免許」も同様に、卒業と同時に取得できます。学校によっては、2つとも取得できるカリキュラムもあります。
服飾系専門学校の卒業までの年数
ファッションデザイナーなどを輩出している服飾系の専門学校は、1年制~4年制と様々。コースや学科によって変わりますが、最も多いのが2年制です。
服を作る為に必要な知識・スキル(デザインや縫製技術)を学ぶ場合は2年制~4年制と比較的長め。それに対し、服を売ること(流通など)に重点を置いたコースや専門科目のみのコースは1~2年制が多いようです。
公務員専門学校の卒業までの年数
はじめに紹介した8分野だけではなく、公務員を目指すための専門学校も数多く存在します。
公務員専門学校は2年制と4年制があります。公務員になるには公務員試験に合格する必要がありますが、2年制の専門学校でも十分な試験対策・フォローがあるので、合格を目指すことができます。
短い期間で集中した試験対策授業を効率的に受けることができるので、人気の高いコースです。
通信制専門学校だと卒業までに何年かかる?
通信制の専門学校は、学校に通わなくても、自宅で好きな時間に学ぶことができます。
卒業までに3年かかることが多いようです。通信制で学べる分野は限られており、実技や実習が多い分野は厳しいようです。
何年制の専門学校がおすすめ?
同じ分野の専門学校でも、卒業までにかかる年数は様々です。それぞれのメリット・デメリットを紹介するので、自分の将来設計にあったものを選びましょう。
1年制専門学校の特徴
周りよりも早く卒業できる1年制の専門学校に進学することで、いち早く現場に出ることができます。実際に働くことで初めて得られる知識やスキルもあります。
ただ、基礎知識だけを学んで卒業、というコースもあります。調理師などは資格が取得できないので、学校選びはカリキュラムもしっかりと確認しましょう。
2-3年制専門学校の特徴
専門学校で多いのが、2-3年制です。必要な資格も取得できる(試験を受けることができる)のと、大学に通う学生よりも先に現場に出て働き始めることができるのがメリットです。また、「専門士」を得ることができるので、大学に編入することも可能です。進路を変更したいときにも、融通が効きやすいコースでもあります。
4年制の専門学校の特徴
4年間、たっぷりと専門学校で学ぶことでより深く、高い技術を身に付けることができます。レベルの高い資格も取得できる可能性があります。大学院に進学するという進路もあります。やりたいこと、学びたいことが明確になっている人にはよい選択肢でしょう。
しかし、その分学費が高くなるのと、就職にはあまり有利ではないという点がデメリットです。企業によっては、応募条件が大卒以上と定めているところも多く、4年制専門卒は応募することができません。
専門学校の選び方|ポイント3選
専門学校は学校によってカリキュラムも卒業までの年数も、取れる資格も様々です。
自分に合った学校を選ぶためには、まずは情報を集めるのが必要です。
ここではどんな視点で専門学校を選んだらよいのか、どこを重視すべきかを紹介します。
ポイント1.カリキュラム
専門学校を選ぶうえで「どんなことが学べるのか」という点は誰もが重視すると思います。授業内容はもちろんですが、年間授業数、実習・研修の有無や期間も大切になります。
年間授業数は最低800時間以上と決められていますが、学校や学科によって1000~1600時間とばらつきがあります。その中でも、座学がほとんどだったり、実技や実習が多かったりと内容も様々です。
また、学校の設備や施設も確認しましょう。設備の整った学校は学費が高いことも。ですが、あまりにも古い設備では現場に出たときに役に立たないこともあるので注意が必要です。
ポイント2.取得できる資格と合格率
専門学校に通う目的の一つとして資格の取得が挙げられます。同じ学科でもコースによって取得できる資格は異なるため、自分が将来就きたい仕事に必要な資格・就職活動でより有利な資格をしっかりと知っておきましょう。
また、国家資格など試験を受けなければならない資格については合格率も調べましょう。合格率が高い学校は試験のサポートや対策も充実しています。
ポイント3.就職率・中退率
就職率とは、就職希望者のうち何人が就職したかを表す数字です。専門学校を卒業して、学んだことと全く違う分野に就職する人もいるので、詳しく見ることが必要です。
また、中退率も確認しましょう。すべての学校が中退率を公表しているわけではありませんが、ひとつの目安になります。
まとめ|専門学校は何年で卒業できるのか
この記事のまとめ
- 専門学校ではより実践的・実務的な能力を身に付けることができる
- 分野やコース、学校によって卒業までに1~4年かかる
- 2年制の専門学校が最も多い
- 学校選びは情報集めが肝心
専門学校で学べる内容はもちろんですが、卒業までにかかる年数も分野や学校によってさまざまです。そのため、興味を持った学校や必要な資格・能力について調べることが必要です。
また、将来どのように働きたいか、何歳から働くかを考えることも重要です。
これを機に、自分のライフプランについて考えてみてはいかがでしょうか。